メゾチントの目立ては面積が広ければ広いほどその分時間がかる。小さい作品だとあっという間なのに。
そして、回数を重ねれば重ねるだけつぶつぶの目が細かくなって繊細な表現がしやすくなる。
目立ての作業は好き..というかこの行程自体作品の一部なんだけど、早く描きたい(版を作りたい)ときはやっぱり少しもどかしくなります。早く終わらせたくなる。
しかしこの版はまだまだ。やらねば。
昨日、森アーツセンターで開催中の歌川国芳展を見に行ってきました。かなりの作品数で、しかも混んでいたため結構疲れたけど、すごく面白かった。
細部まできれいな線で細かく描かれているのは言うまでもなく凄い、綺麗。よくここまで全て木版でやったなと。当時の彫り師の技術は本当に凄い。
でも一番面白いと思ったのは構図。どうやったらこんな構図にしようと思うのか、感覚がすごいなぁと。モチーフを入れ替えれば現代の漫画の表現みたいだなと思える作品もありました。150年以上も前なのに、というのは違うかな。多分そういう斬新だと思えるものが生まれる状況っていつの時代も一緒かもしれない。
技術とかは材料や物に左右されるから、その時代の状況に左右される事が多いけど作家の思考とか感覚とかは自由だものね。もちろん時代性と切り離す事は出来ないけど。